ワークステーション単体の性能向上と高速な伝送路を用いた
ネットワークの利用可能性により、
ワークステーションクラスタにおける並列処理が現実となりつつある。
しかし、ワークステーションクラスタにおける既存のネットワークは
ソフトウェアでマルチユーザ、マルチジョブに対応している。
また通信データをソフトウェアで構築する必要がある。
そのため、ソフトウェア処理のオーバーヘッドが非常に高い。

本研究では、これらのオーバヘッドを削減するための
機構を持つネットワークを提案した。
仮想化された環境を扱うためのハードウェアを
ネットワークインタフェイスに実装することで、
ユーザはソフトウェアのオーバヘッドなしに通信ができる。
また、OSは共有メモリという枠組を用いた通信を採用することで、
メッセージの組み立てに関するオーバヘッドを削減し、
同時にメッセージの流路と流量を管理する。
提案したネットワークのプロトタイプの実装を行ない、
その性能評価により有効性の検証を行なう。