SSS-PC 開発チームは次世代オペレーティングシステム
SSS-PC
(「スリー・エス・ピーシー」) Ver.1.0
を開発しました。PC-AT互換機とサンワークステーションで稼働します。
現在 SSS-CORE の研究・開発は SSS-PC に
引き継がれています。SSS-PC についての詳細は
SSS-PC ホームページ を御覧ください。
SuperSPARC 用 SSS-CORE Ver. 1.3 において FreeBSDのファイルシステム(VFS,NFS,UFS)の移植版が動作を開始しました。 さらに、NFSサーバを冗長に使用して、高信頼性を実現する ネットワークRAIDファイルシステム(NRFS)のプロトタイプを SSS-CORE Ver. 1.3 上に作成しました。
SSS-CORE 開発チームは 汎用スケーラブルオペレーティングシステム UltraSPARC 用 SSS-CORE (「スリー・エス・コア」) Ver. 2.2 および SuperSPARC 用 SSS-CORE Ver. 1.2 を 完成しました。 これにより高価な並列処理専用計算機や並列サーバマシンを導入すること なしに、オフィスや研究所にある複数のワークステーションを協調させて 高速に処理を行うことが可能になります。 現在は、より高度な機能と使い易さそして高性能を目指して Ver. 2.3/Ver. 1.3 の 開発を行っています。
以下は SSS-CORE の特徴や性能について簡単に まとめたポスター(PDF 形式)です。
SSS-CORE の研究開発は 情報処理振興事業協会 (略称 IPA)の独創的先進的 情報技術に係わる研究開発事業の一環として、1994 年度より 7 年間 研究開発を行わせていただいたものです。
SSS-PC の研究開発は 同じくIPAの情報処理技術開発支援事業の一環として、 2001 年度より 3 年間の予定で研究開発を開始したプロジェクトです。
本システムは、TRON 以来の純国産汎用オペレーティングシステムであり、従来のオペレーティング システムにない特徴として、LAN で結合された複数のパーソナルコンピュー タ(PC)およびワークステーション(WS)を 効率の高い並列計算機として使用することを可能にします。 最近のオフィスや研究所や工場には LAN によって接続された多くのコンピュータが 存在し、その多くはいつも能力いっぱいに仕事をしているわけではありません。 しかし、シミュレーション等の大きな仕事を 1 台のマシンに行わせると、 他には遊んでいるマシンが何台もあるにも関わらず結果を得るまでに何時間も 待たされることになります。 SSS-CORE / SSS-PC は この無駄を取り除く基本ソフトウェアであり、 空いているマシンを有効活用して並列処理によって処理時間の大幅短縮を 可能にします。SSS-PC では高いシステム性能に加えて、高 信頼性とシステムの高可用性を実現します。 そして、単体マシンから 1 万台規模の WSクラスタ/PCクラスタまで同一の SSS-CORE / SSS-PC オペレーティングシステムによって、 システムを構成することが可能です。
東京大学および IPA は、本オペレーティングシステムをフリーソフトウェアとして 公開し、コストパフォーマンスの高いシステムを構築する基盤技術の 1 つとして、 情報処理産業に提供していきます。
なお、SSS-CORE で開発された メモリベース通信技術をギガビットクラスの 高速・高機能ネットワークに活かす研究開発を、IPA の次世代デジタル応用基盤技術 開発事業のテーマの一つとして行い、新通信カードアーキテクチャである 「Memory-Based Processor II (MBP2)」に基づいた試作通信基板 MBP2 プロトタイプを開発しました。 また、現在開発中の Ver. 2.3/Ver. 1.3 では SSS-CORE による低コスト高性能システム技術を サーバシステムに活かすために研究開発を行っています。
SSS-CORE Ver. 2.2 は Sun Microsystems 社の Ultra 60 または Ultra 2 またはこれらの互換機を ファーストイーサネットまたは ギガビットイーサネットで接続した 環境で動作し、SSS-CORE Ver. 1.2 は Sun Microsystems 社の SPARCstation 20 またはこの互換機を イーサネットまたは ファーストイーサネットで接続した環境で動作しています。 以下に SSS-CORE が稼働している 東京大学内の ワークステーションクラスタの外観を示します。 写真をクリックする(リンクをたどる)と大きなサイズの写真が 見られます。
なお、これは実験システムであるためマシン群はラックに組み上げられて います。
SSS-CORE の概要と特徴について、 こちらで紹介しています。 以下の技術的な特徴について記述しています。
これまでに SSS-CORE の性能評価が様々な 面から行われています。 こちらでは以下の評価結果の 要約を示しています。
SSS-CORE に関する論文のうち、平木研究室の メンバによるものがこちらで入手できます。 論文は以下のように分類されています。
以下の内容の SSS-CORE のデモンストレーションを 行っています。
現在開発中の Ver. 2.3/Ver. 1.3 では、効率が良く自由度が高い「自由市場原理に 基づくスケジューリング」(*1)方式および マイグレーション機能を実装中であり、 システムやアプリケーションを停止することなく一部の ノードをメンテナンスしたり、システムの 能力を増強することが可能になります。 Ver. 2.3/Ver. 1.3 の開発後には PC 互換機への SSS-CORE の移植を計画しています。 なお、MBCF 機能に関しましては PC 互換機の Linux 上への移植作業が進展中であり、 2000 年度内には完成の予定です。 SSS-CORE はオペレーティングシステムの基本機能に 関する理想追求を開発開始当初の目標にしていたため、グラフィカルユーザ インタフェース等のユーザ(特に初心者)の使い勝手を良くする付加的な 機能が不足しています。 このため、UNIX において広く採用されている X Window System を移植中であり、間もなく完了する予定です。 その他の機能では、サーバ用オペレーティングシステムとして広く使用可能なように セキュリティ機能(暗号通信)や分散処理機能を中心に強化していく予定です。
(*1) 本スケジューリング方式に関して松本は 科学技術振興事業団さきがけ研究 21 の サポートを受けている。
SSS-CORE のマスコットです。 名前は「マネキッコ」。 日本のまねき猫をモチーフとしています。